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さまざまな病気

目 目の異物感


目がゴロゴロとしたり、まばたきのときの何かが当たるような違和感が目の異物感です。その原因はゴミやほこりなどの混入をはじめ、目の乾燥やコンタクトレンズ、疾患などさまざまです。気になってこすってしまうと、炎症やアレルギー反応などによって症状が悪化することもありますので、注意が必要です。

日常生活から考えられる原因

目の乾燥

目を保護している涙の分泌が減ったり、涙が蒸発して目が乾燥すると、ゴロゴロとした異物感を感じることがあります。目の乾燥はエアコンによる部屋の乾燥、パソコン作業や車の運転などによるまばたき回数の減少が主な原因です。また、強いストレスも自律神経の働きを低下させて涙の分泌を抑制するので目が乾き、異物感が起きやすくなります。

コンタクトレンズの不適切な使用

コンタクトレンズで角膜に長時間フタをしている状態が続くと、涙が角膜に十分に行きわたらなくなって酸素や栄養が不足し、さらに乾燥によって異物感を感じることがあります。また、正しく洗浄を行わなかったり、乱暴に扱うことで変形したり傷がついたレンズを使用し、角膜の表面を傷つけると、異物感や痛みなどが発生します。

異物の付着や逆さまつ毛

目にゴミや砂などの異物が付着すると、異物感や痛みを感じ、ときには異物を排出しようと涙が流れることもあります。また、まつ毛が内側に向かって生える逆さまつ毛の場合、まつ毛が結膜や角膜に当ることによる異物感があらわれます。逆さまつ毛は、常に結膜や角膜を傷つけている状態ですので、感染症の原因にもなります。

目の異物感の原因となる主な疾患

乾燥が原因で起こるドライアイ、細菌やウイルス感染が原因で起こる細菌性結膜炎、角膜炎、ものもらいとも呼ばれる麦粒腫(ばくりゅうしゅ)、慢性的な炎症が原因となる霰粒腫(さんりゅうしゅ)、花粉やハウスダストが原因となるアレルギー性結膜炎など、さまざまな疾患が目の異物感を引き起こします。

目の異物感をともなう疾患

ドライアイ

目を酷使したり、乾燥した室内に長時間いることで、目の表面を潤している涙が蒸発したり、分泌量が減って角膜が乾燥します。その結果、角膜に供給される酸素や栄養素が不足し、ゴロゴロとした異物感、目の疲れやかゆみ、充血といったトラブルを引き起こします。

この疾患・症状に関連する情報はこちら。

目の乾燥(ドライアイ)

細菌性結膜炎

結膜炎は一般的に、ゴロゴロする異物感、充血、目やに、かゆみ、涙目などの症状があらわれます。黄色ブドウ球菌などに感染して起きる細菌性結膜炎は、黄色い膿のような目やにが特徴です。感染力は強くありませんが、抵抗力が弱いお年寄りや乳幼児などでは慢性化することがあります。

ウイルス性結膜炎(はやり目)

アデノウイルスなどに感染して起きるウイルス性結膜炎は、目やにがべっとりつき、まぶたの腫れや目に異物感を感じたり、充血するなどの症状があらわれます。夏にプールでうつることが多い咽頭結膜熱(プール熱)は、目が真っ赤に充血してかゆみや異物感を感じる他、のどの痛みや発熱、だるさ、吐き気、下痢などの全身症状をともないます。

角膜炎

乾燥や異物の混入などによって角膜が傷つき、炎症を起こすのが角膜炎です。目の異物感、痛み、充血や涙の過剰分泌といった症状が起こります。角膜の傷を放置していると細菌に感染しやすくなり、角膜の真ん中が細菌に侵される角膜潰瘍や、角膜に穴が開く角膜穿孔などを引き起こすことがあります。

麦粒腫(ばくりゅうしゅ・ものもらい)

まぶたのふちや内側にある皮脂腺に黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して起こります。まぶたの一部が赤く腫れてかゆみが出たり、まばたきで異物感や痛みを感じたり、まぶたが重たくなるなどの症状があらわれます。膿をもった部分が白っぽくなることもあります。

霰粒腫(さんりゅうしゅ)

まぶたの中に小さな球状のしこりができるのが霰粒腫です。このしこりは、まぶたの内側の皮脂腺に、分泌物などが溜まったものです。しこりは、触ってみるとまぶたの中でグリグリと動き異物感がありますが、通常痛みはあまりなく、かゆみもたまに感じる程度です。さらに細菌感染し、しこりの周囲に炎症を起こすと赤く腫れ、痛みが生じます。

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎は、アレルギーの原因となる異物が結膜に入ることで目に異物感や充血、強いかゆみが起きる疾患です。結膜がむくんで白目の部分がブヨブヨになることもあります。ハウスダストが原因の通年性のものとスギなどの花粉が原因の季節性のものがあり、最近ではコンタクトレンズの汚れが刺激になって起きることもわかってきました。

日常生活でできる予防法

目の乾燥を防ぐ

パソコンのモニター画面などをじっと見つめているときは、まばたきの回数が減っています。まばたきは分泌された涙を瞳に送り出すポンプの働きをしたり、涙の蒸発を防ぐ働きをしますので、目を潤すためには意識してまばたきをすることが必要です。また、エアコンの風が直接目に当たらないように工夫し、室内が乾燥する場合は加湿器を使いましょう。夜間は涙の分泌量が減少するので、夜ふかしをしないことも大切です。

細菌やウイルスから目を守る

①手で目をこすらない、②帰宅後はよく手を洗う、③結膜炎にかかっている人とタオルなどの生活用品は別々にする、④プールから出たらよく洗顔し、目薬をさすなどして、細菌やウイルスから目を守りましょう。

部屋をまめに掃除し清潔に保つ

花粉、ハウスダスト対策は、部屋の掃除をこまめに行うことや通気を良くすることが大切です。ただし、花粉を外から室内に持ち込まないためにも、花粉の時期に窓を開けたり洗濯物を外に干すことは避けましょう。ダニの繁殖を防ぐために、カーペットは敷くのを止めるか、こまめに掃除機をかけたり時々丸洗いをします。ペットを飼っている場合は、飼育環境を清潔に保ちましょう。また、空気清浄機をかけることも、室内の花粉やハウスダストを取り除くことに効果があります。

対処法

目を冷やす

異物感に炎症をともなうときは、清潔なタオルで冷たいおしぼりを作り、まぶたの上に置くと楽になります。目の乾燥による異物感が起きたときは、冷やしてからさらにまぶたの上に温かいおしぼりを置いて目の周りの血行を促進すると、症状が改善します。

市販の薬を使う

乾燥による異物感には涙と同じ成分の塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムが含まれている点眼薬が有効です。ものもらいや結膜炎のときは抗菌成分サルファ配合の点眼薬を使用します。薬剤師または登録販売者に相談して、症状に合った目薬を選びましょう。

病院で診察を受ける

数日たっても異物感が治まらないようなときは、疾患が隠れていることがあります。眼科で診察を受けましょう。また、逆さまつ毛が気になるからといって抜いてしまうと、再び同じ生え方をするばかりか、より悪化することもありますので、逆さまつ毛は自分で抜かないようにしましょう。まつ毛の生え方によって治療方法も異なりますので、必ず眼科の診察を受けましょう。

目に入ったゴミの取り除き方

ゴミが入ったときには、まず綺麗な水道水や市販の目薬で十分に目を洗いましょう。洗面器に顔をつけ、まばたきを繰り返すようにすると、目を傷つけることなくゴミを取ることができます。ゴミは目の上側に入ることが多いので、目を洗うときは指でまぶたを持ち上げて、目線は下に向けて洗うといいでしょう。目をこすってしまうと、角膜が傷ついてしまうこともありますので、くれぐれもこすらないように気をつけましょう。