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さまざまな病気

小児 水ぼうそう(水痘)


水ぼうそう(水痘)は、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって発熱と全身の皮膚にかゆみのある水ぶくれ(水疱)があらわれる疾患で、冬から春にかけて多くみられます。赤ちゃんや幼児に多くみられ、年齢が高くなってからかかると症状が重くなることがあります。ただし、一度かかると生涯にわたって続く免疫が得られ、水ぼうそうの再発の心配がなくなります。

日常生活から考えられる原因

水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染

水ぼうそうは、ヘルペスウイルスの一種である水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染することで水ぶくれがあらわれます。水ぶくれに直接触れたり、感染した人のせきやくしゃみなどの飛沫を吸い込むことで感染が広がります。また、強い感染力をもったウイルスのため、一人が発症すると集団生活をする園児や学童、家族間で流行します。

水ぼうそう(水痘)の症状

子どもの水ぼうそうの症状

発熱と同時に、胸や腹部を中心に頭皮や目、口の中の粘膜にいたるまで、全身にかゆみのある赤い発疹が広がります。発疹は2~3mmの赤く小さなブツブツから始まり、水ぶくれ、中心に膿をもった膿疱、かさぶたへと徐々に変化します。これらの発疹が混在してみられるのが特徴で、全てかさぶたになるには1週間ほど要します。1~4歳の頃がかかりやすく、ほとんどの子どもが9歳ごろまでにかかります。感染力は、水ぶくれの状態のとき強く、かさぶたになると感染力はなくなります。

大人の水ぼうそうの症状

大人の水ぼうそうは、体のだるさやニキビなど、とても水ぼうそうにかかったとは思えない初期症状があらわれます。その後、発熱と水ぶくれの症状があらわれます。子どもの感染に比べて熱が高く、水ぶくれはかゆみより痛みが強いのが特徴です。また、肺炎や肝炎などを合併して重症化するケースが多いので注意が必要です。妊娠中の女性が発症した場合は、お腹の胎児にも感染し、失明の原因になることもあります。

予防法

予防接種を受ける

水痘・帯状疱疹ワクチンを接種することで、感染の予防だけでなく、感染しても症状を軽減することができます。またワクチン接種によって体内に抗体をつくると、ほぼ一生にわたり免疫が持続します。ワクチンは生後12カ月以上から受けることができます。

感染者に接触しない

水ぼうそうは水ぶくれに直接触れることや、感染した人のせきやくしゃみなどの飛沫から感染します。主な感染原因が接触と飛沫によるものなので、同一フロアや同じ部屋で過ごすなど、感染した人との接触機会はできるだけ避けるようにしましょう。感染を広げないためにも、発症してから全身の水ぶくれがかさぶたになるまで、登園や登校を避ける必要があります。

対処法

水ぶくれをかかないようにする

水ぶくれをかきむしって潰してしまうと、痕(あと)が残ったり、細菌による2次感染を起こしてしまう場合があります。爪は短く切り、こまめな手洗いで清潔にしておきましょう。また、水ぶくれは暖めるとかゆみが増しますので、お風呂は入ってもぬるま湯にしておきましょう。

消化の良い物を食べる

食事は、嘔吐がなければ何を食べても構いません。ただし、口の中に水ぶくれがあらわれ、痛みがある場合には、軟らかく消化の良い物をとるようにしましょう。また水ぼうそうにかかっているときは、体力が消耗しているので、発熱がなくてもなるべく安静にするようにしましょう。

病院で診察を受ける

水ぼうそうは自然に治るものですから、普段健康な子どもであれば診療時間内に小児科や皮膚科で診察を受けておけば特別な心配はいりません。しかし、白血病などで免疫力が低下している子どもや1歳以下の乳児は重症化の危険性があるため、すぐにかかりつけ医の診察を受けましょう。大人の感染は肺や肝臓に広がり重症化することがあるので、なるべく早く内科や皮膚科を受診しましょう。

水ぼうそうのウイルスが引き起こす「帯状疱疹」って何?

水ぼうそうに一度かかった人は、その後も体内にウイルスが持続的に潜伏しています。このウイルスが体調が乱れたときに、また活動し始めるのが帯状疱疹です。過労やストレスの多い10~20代、体の抵抗力が低下したお年寄りによくみられる疾患で、体の片側にだけ帯状に強い痛みをともなった赤い発疹があらわれるのが特徴です。