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さまざまな病気

胃・腸 胃炎


胃の粘膜に炎症が起きた状態が胃炎です。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、タバコの吸いすぎなどの生活習慣やウイルス、そしてピロリ菌が一部に関与する急性胃炎と、原因の約8割をピロリ菌が占め、その他薬の副作用などによって引き起こされる慢性胃炎があります。ピロリ菌の感染は、放置すると胃潰瘍、十二指腸潰瘍に進行することがありますので、注意が必要です。

日常生活から考えられる原因

ストレスによる自律神経の乱れ

ストレスを受け続けると、胃の働きをコントロールしている自律神経が乱れて胃酸が過剰に分泌されることがあります。その多すぎる胃酸が胃の粘膜を傷つけ、胃の粘膜が急性の炎症を起こします。

食べすぎ飲みすぎ、刺激の強い食べ物やアルコール

暴飲暴食をしたり、にんにく、唐辛子などの刺激の強い食べ物や濃度の高いアルコールを過剰にとることで、急性の胃炎が起こることがあります。また習慣性のアルコールやタバコ、香辛料、果汁、炭酸飲料も胃酸の分泌を促進するため、胃の粘膜に急性の炎症を起こす原因になります。

胃の粘膜を傷つけるピロリ菌

ヘリコバクター・ピロリ菌は胃の強い酸の中で生息する細菌です。このピロリ菌は胃酸から身を守るために常にアンモニアを出し続けています。ピロリ菌が粘膜を傷つけるメカニズムには多くの説があり、複数のメカニズムが絡んでいると考えられています。ピロリ菌が出すアンモニアが胃の粘膜を繰り返し傷つけることが、慢性胃炎の原因の約8割をしめています。

胃炎をともなう疾患

急性胃炎

食べすぎ飲みすぎやストレス、ウイルス、ピロリ菌の感染、食中毒、アレルギーなどが原因で胃の粘膜がただれ、みぞおちが突然キリキリと痛むことがあります。胃痛の他に、吐き気や下痢をともなうこともあり、ひどい場合は嘔吐や吐血、下血を起こすこともあります。多くの場合、安静にしていれば2~3日で治まります。

慢性胃炎

原因の約8割がピロリ菌の感染によるものですが、その他、非ステロイド性抗炎症薬の副作用や慢性的なストレスなども原因になると考えられています。胃の粘膜が弱まり、炎症が繰り返されて治りにくくなっている状態です。突然胃痛や吐き気が起こり、多くは胃もたれや胃痛、胸やけ、膨満感、吐き気、げっぷなどの症状が慢性的に繰り返され、胃潰瘍に進行することもあります。

神経性胃炎

仕事などによる精神的なストレスや過労が原因となり、自律神経がバランスを崩して起こる胃炎です。ストレスを受けて、自律神経がバランスを崩すと胃酸が過剰に分泌され、気分がふさぐ、のどがつかえる、胸やけがする、胃が痛むなどの症状を引き起こします。

この疾患・症状に関連する情報はこちら。

ストレス

日常生活でできる予防法

呼吸で自律神経のバランスを整える

自律神経のバランスを整える呼吸法でリラックスして、ストレスを遠ざけましょう。おへその下に意識を集中させて、お腹に空気を入れる感覚でゆっくりと鼻から息を吸います。空気がお腹に入りきったら数秒息を止め、おへその下に力を入れたまま鼻から息を吐きます。これを1日に数回繰り返しましょう。

ストレスのコントロールをする

ストレスと胃炎は、切っても切れない関係です。ストレスを溜め込まず、上手に解消するための工夫やリラックスできる趣味のレパートリーをたくさん持っておくといいでしょう。特別なことでなくても、テレビを見たり、ゆっくりお風呂につかるなど、日常生活の中でできる自分に合ったリラックス法を見つけましょう。

規則正しく食事をとる

不規則な時間に食事をとることは胃に負担がかかりますから、規則正しい時間に食事をとるようにしましょう。食事の際は、消化の悪い脂っこいものばかりとりすぎないように注意し、腹八分目を心がけましょう。また胃酸を過剰に分泌し、胃の粘膜を痛める強いアルコールやタバコはなるべく控えましょう。

ピロリ菌を除菌する

病院でピロリ菌検査を受けると、ピロリ菌感染の有無がわかります。いくつか検査方法がありますが、吐いた息で検査するなど、比較的どれも簡単なものです。そして、このピロリ菌は病院で処方された薬を服用するだけで痛みもなく除去することができます。慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、さらには胃がんを予防することや、潰瘍の再発を抑える効果も認められています。

対処法

市販の薬を使う

食欲不振や食べすぎ飲みすぎによる胃痛、胃もたれ、胸やけ、腹部の膨満感などには胃腸薬を服用してみましょう。また、ストレスからくる胃痛、下痢、のどのつかえ感などの胃腸の不具合には、神経性胃炎に効果的な漢方処方の胃腸薬を服用してみましょう。

病院で診察を受ける

胃痛が長期間続くときや、激しい痛みがあるときは、重い疾患が隠れている場合がありますので、主治医や内科、消化器科、胃腸科の診察を受けましょう。ストレスによる胃炎の場合は、心療内科も相談の対象になります。

ピロリ菌は親子感染する!?

胃腸に重大な害を及ぼすピロリ菌は、免疫力が弱く、胃酸の分泌量も少ない幼児期に感染することが多いといわれています。また親がピロリ菌に感染していると、子どもも感染しているケースが多いというデータもあり、親子感染の可能性が指摘されています。これは、離乳期に親が食べ物を噛んで柔らかくしてから子どもに食べさせる「口移し」が影響しているのでは?とも考えられています。